『Silver Star Shining in Spring 春に輝く銀星』を読んだよ

 しおばな祭で唯一購入した同人誌、「Silver Star in Shining Spring 春に輝く銀星」を読み終えました。しおばな祭では合同誌の購入が目的だったので、他のブースでの物販購入は当初予定しておりませんでした。それでも出店されているみなさんの作品はどれも魅力的で、自分が石油王なら一通り買いたいなと思うものばかりでした。そんな中で、劇団ZEKE座さんのブースの「Silver Star in Shining Spring 春に輝く銀星」は一際惹きつけられました。おそらく、中世ヨーロッパを舞台とした書物というのが物珍しく、イラストも目を引く素晴らしいものだったからだと思います。合同誌を読み終えた後、ゆっくりとしたペースではありますが、こちらも読み進め、最近になってようやく読み終わりました。

 ネタバレ防止のためにも、内容について多くは触れませんが、中世ヨーロッパ特有の霧のような、あるいは工場による埃っぽさのような、ミステリーではないけれども謎めいた雰囲気が文章から感じられ、舞台背景に伴うこまかな描写がさらに時代感をよりリアルに感じさせてくれます。それでいて、いい意味で勢いを感じる、著者の筆の乗りの良さを感じる作品でした。小春六花と紲星あかりという組み合わせが新鮮だったので、自分にとっては引き込まれる要素がふんだんに含まれ、これを読むために時間がほしい、続きを読むために夜更かししたいと感じるほどでした。終盤の30ページほどは深夜1時から読み始めてましたね。

 百合展開のような描写はほぼないです(だからこそ自分も買ったわけですが)。まぁ人によって何が百合展開なのか線引がわからないので、ぜひ手にとって読んでみてくれとしか自分からは言えないですね。あどけなさを残しながら成人しているような、小春六花と紲星あかりそれぞれのキャラクターの魅力と、お互いの距離感の心地よさというのは、憧れるような気持ちもありつつ、なぜか儚さをも感じられ、目が離せなくなりますね。

 とてもいい作品の出会いのきっかけを作ってくれたしおばな祭に改めて感謝し、この作品を生み出した劇団ZEKE座さんに最大限の敬意とこのお言葉を贈りたい。

「めちゃくちゃ面白かったです!!!」

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