スノーボードのブーツを新調したよ

 以前のスノーボードでブーツの紐を止める留め具が折れてしまったので、スノーボード専門店に行って新しいブーツを探してきた。

 小川町駅から新保町駅にかけて専門店が多い。目的のお店があるというわけではなく、その通りのお店をブラブラしながらいいのがあればと思ってでかけたのだが、結果的に最初に入ったお店、F.JANCKで勧められたブーツが気に入りすぎてすぐに購入した。

 お店に入り奥の方のスペースにいくと、2、30ほどのブーツが並べられていた。さてここからどうやって選んだものかなと悩みながらブーツをひとつひとつ眺めていると、店員さんから声をかけられた。「どういったものをお探しですか?」この問いかけに対して自分は「まずは自分に適しているサイズを確認したい」と返答した。これまで使用してきたブーツは友人から譲り受けたもので、足のサイズは自分よりも少し大きいものだった。サイズの差と、足の裏からの汗が出やすいという体質から、しばらく滑っているとブーツの中で足が滑るような感覚がありいつも悩まされていた。ブーツを購入する際には、基本ではあるがまず適したサイズを知らなければならない。

適したサイズを知るために使用した実寸計

足のサイズを測ったら、今度は希望するブーツの特徴を伝える。

「足の汗で滑る感覚があるのでホールド感のあるものが良い」

「2つのダイヤルによって紐を締めるBOAシステムを試してみたい」

この2点と予算を伝えて紹介されたのが「メンズ スワス BOA」というブーツ。

 良し悪しは履いてみなければわからない、ということで試着させてもらった。試着のために靴下はスノーボードをするときに使用している厚手のものを履いている。靴下の厚さで感覚も変わるのでこういった準備も非常に大事になってくる。ブーツを試着させてもらう際、BOAシステムのダイヤル操作についても合わせて教えてもらった。締めた状態のブーツから、まず足首から下部分の紐を締めている横にあるダイヤルのロックを外す。次に、足首から上部分の紐を締めている前についているダイヤルのロックを外して大きく開く。そのままだと勝手にダイヤルが紐を巻き取って締めようとするので、開いた状態でロックをかける。足を入れたら今度は前についているダイヤルのロックを外して、自然に紐を巻き取る機能で途中まで締めてもらい、ロックを掛けてからさらにダイヤルを回して紐を締める。横にあるダイヤルもロックしてからダイヤルを回して紐を締める。実際にやってみるとこれだけでも楽しくなってくる。

 実際にはいてみて驚いたのは、かかと部分のホールド感。かかとの少し上、くるぶしの高さまでいかないあたり、アキレス腱をつまむような形になっておりブーツと足との密着感が強い。これまでのブーツでは体感したことないフィット感に高揚し、他のブーツを試していないのにこのブーツでいいんじゃないかなという気持ちになっていた。

 しかし自分にはまだ確認しなければならないものがある。足汗によるブーツ内の滑りや、疲労感を軽減させるために Bane のインソールを使用していた。これを入れた状態での履き心地というのを確認する必要があった。

Baneインソール

 既存のインソールを取り出して、Baneのインソールを入れ替えて履いてみると、アキレス腱あたりのホールド感がかなり強くなった。というかむしろ痛い。その旨を店員さんに伝えると「Baneのインソールは既存のものに比較して厚みが大きいためと思われる。改めてブーツに合わせて削る必要がある」と教えてくれた。Baneのインソールは購入後、ブーツに合わせて自分で切ったり削ったりする必要があり、自分が持ち込んだBaneのインソールも自分でサイズを測ってすでに先端を少し切った状態のものだった。しかし踵の部分については手を入れておらず、これがかえって「メンズ スワス BOA」にとっては窮屈さを生む原因となっていた。

 Baneのインソールも気に入ってはいたが、試着させてもらったブーツのホールド感も捨てがたい。ブーツを買って家に帰ってから自分でインソールの調整をするかと考え、まずはブーツを購入する意向を店員さんに伝えた。すると店員さんから「少し汚れがついているものがあり、それを買っていただけるなら値引きできますよ。あと、インソールをこちらで削りましょうか?」という思いがけない提案をされた。汚れというのがどの程度なのか知りたいとお伝えすると、店員さんは嫌がることなく問題のブーツを見せてくれた。足先の白い部分に、何かで擦ったような黒い汚れが少しあったが、自分にとってはこれで安くしてもらっていいのかと思えるほどだった。また、インソールを削る件についても渡りに船だ。自分でやるとなると家でハサミを使って切るしかないが、ここでは手慣れた人の手によって、さらには専用の機械を使って削りながら調整していくことができる。本来ならインソールの調整作業だけでもお金を取られてもおかしくはない。値引き後の価格はもともとの価格の約7割、即決だった。

 調整したBaneのインソールを改めて試着させてもらうと、先ほど感じたアキレス腱あたりの強い圧迫感はなく、心地よいフィット感に変わっていた。神調整。後で調べて知ったのだが、そもそもインソールの調整ができる人というのが専門店でも限られており、今回自分はたまたま調整ができる人に声をかけられたことで、ここまでスムーズに、そしてサービスしてもらえた状態で購入することができたようだ。本当に運が良かった。また何かあればこの店員さんを頼りにF.JANCKに行こう。

 家に帰って購入したブーツが入った箱を取り出し開封。紐を緩めて、調整してもらったインソールを突っ込んで、準備は万端。早く試してみたいという気持ちはあるが、このとき予定していた次のスノーボードまでかなり日がある。新調したブーツでできるだけ滑りたいなという思いから、単身で滑りに行く予定を突発的に計画し、新幹線の予約をとった。GoProの新しいパーツのテストもしておきたかったので丁度いい。良い映像が取れれば動画を作るモチベーションにもなるなと、いろんな理由で自分の行動を正当化した。とにかく次の予定が楽しみでしかたがない。

紐を緩めた新しいブーツ

削ってもらったBaneインソール

たんばらスキーパークに行ったよ

 2年前、たんばらスキーパークに友人と滑りに行ったとき、腕を骨折した。それ以来のスノーボード。同じ場所、同じメンバーでリベンジしに来た。

 スノーボード一式の装備を担いで家を出て、東京駅を7時半過ぎにでる新幹線に乗り、駅弁をほうばりながら群馬方面に向かう。東京駅で合流した友人は自分と違い身軽な装い。すでにスキー場にスキー一式を送っているため、荷物は少なく済ませられたとのこと。まだ体力がある行きの道のりで、すでに疲労していた自分は、帰りはスキー場から自宅に送るように手配しようと決意していた。

牛すきやき弁当

 友人と近況話をしているうちに高崎駅に着いた。ゲレンデに向かう乗客の多くはこの先のガーラ湯沢、あるいは野沢温泉に向かうようで、高崎駅で降りる人はまばらだった。群馬に住む友人が車で駅のロータリーまで来てくれて、その車乗り込み、目的地のたんばらスキーパークに向かう。

 車の中では雪に覆われた景色や道路が目についたこともあってか、最近の雪による事故や車に関する話題が会話の多くを締めた。友人は2人とも車を所有していて、雪道に対する意識やリスクについても理解がある。今自分たちが乗っている車も冬用タイヤにした四駆のもので、その上で注意を払って運転してくれている。ペーパードライバーの自分にとっては運転できる友人はそれだけでも尊敬に値する。もし自分が車を購入するようなことがあればこの2人に相談しよう。

 雪道をガンドコ進んだ先、たんばらスキーパークに到着。駐車場に車を止め、車の中や周辺で各々着替える。全員が装備一式を持っているので、レンタルの必要がなくスムーズに準備が開始できる。しかしこの準備で自分がもたついてしまう。久々のスノーボードということもあるのだが、今回初めて使用する道具がいくつかあり、その準備に友人の手をかりながら整える必要があった。ヘルメットとこれに取り付けるGoProとゴーグルの準備が十分にできておらず、同じ装備をもっている友人に手伝ってもらいながら準備を進めた。加えて、スノボー用のブーツの紐を固定する留め金となるパーツが折れた。友人から譲り受けたもので、それなりに年代物ではあったが、まさかこのタイミングで壊れるとは。滑れるかどうかの程度は一度やってみてから判断するとして、いったんブーツはそのまま使用しゲレンデに向かうことに。もしダメそうならレンタルするしかない。リベンジの出鼻をくじかれるような、不安が募るスタートとなった。

 天気は快晴。ほぼ雲はく、日差しの照り返しによる日焼けが心配されるほど。しかし風は冷たく、きちんと着込まなければリフトで凍えてしまうような寒さだった。スノーボードに左足のブーツをドッキングさせ、右足で漕ぐようにまずはリフト乗り場に向かう。ゲレンデの難所といえばリフト降り場を上げる人は多いと思う。自分もそのひとり。リフトにのって景色を眺めのはいいのだが、降り場が近づいてくるにつれ緊張が増す。そして今回最初のリフト降り場の挑戦は、転倒することはなかったものの、降りたときに勢いが十分つけられずすぐに止まってしまい少し焦った。たんばらスキーパークの最初のリフト降り場は比較的平坦で、スノーボードで降りるには勢いをつけにくい場所だった。最初のリフトはボードを手で持った状態で乗り、降りた先で取り付けたほうがよかったかもしれない。

 たんばらスキーパークはそれほど大きなゲレンデではなく、滑るコースはさほど種類があるわけではない。今回自分たちは第2高速リフトにのって右手の初心者コースと左手の中級者コースを繰り返しまわるように滑った。まず初心者コースで感覚を思い出しつつ、中級者コースで少し急になった坂に挑む。

 最初に初心者コースで滑ってみると転倒もなく下まで降りきることができた。滑っている最中の風を切って進む感覚がとても気持ちいい。留め金が外れたブーツでもなんとかなりそうとわかったので、そのまま中級者コースに挑んでみると盛大に転倒した。怪我こそしなかったものの、少し急な坂になるとおっかなびっくりになってしまってバランスを保つのが難しくなる。友人2人はというと自分よりスキーによる滑りに熟達しており、たんばらスキーパークの中級コースなら難なく滑り降りてしまう。友人2人のみでここに滑りに来たときは、ひたすら集会してまるで修行だったと話していた。自分が加わることでいいストッパーとなり、無理しすぎなくなるとのことだが、2年前に自分が負傷してしまった。2人についていこうと知らずに無理をしていたのかもしれない。骨折したとき「これで今日は最後にする」と言った最終滑走でケガをしたので、疲労による集中力の低下が原因だろう。このときの反省を活かして、今回は昼食の休憩に加えて、3本ほど滑ったあとにも休憩をとった。友人も前回のことや久々のゲレンデということもあってか、比較的スローペースで滑っていたようだ。

 今回初めて試みた GoPro による滑走中の撮影は、なかなかいい映像を撮ることができなかった。最初にとったものは全体的に横に傾いた状態で撮れており、GoProの撮影に慣れている友人に相談すると「水平維持」の設定が良いだろうとアドバイスをもらった。このアドバイスのおかげで映像が傾くことは軽減されたものの、今度は下向きになっていることが気になるようになった。これは自分の姿勢によるところもあるが、カメラの位置がヘルメットの前よりについていることで、遠くを撮りにくい状態になっているものと思われる。これはやってみないとわからない部分ではあるが、マウントの位置が失敗したなと感じずにはいられなかった。友人によると少し調整ができるようなアクセサリーがあるとのことなので、これは後日調べてみよう。

初心者コース(GoPro水平維持設定無し)
中級者コース(GoPro水平維持設定あり)

 スノーボードにずっと繋がれた左足から、疲労を知らせる痛みの信号を受けたので、「これで今日は最後にする」と宣言。このときに思い出されるのは前回の骨折で、下まで滑り降りるまではひときわ注意を払った。無事に下まで来たときは、大きく一息ついて安堵していた。全体的にかなり抑えての滑りになったけれども、これでリベンジは果たせた気がする。ブーツもなんとか最後まで持ったようで何より。

 着替えを済ませて荷物の配送を手配して、友人の車に乗って雪山をあとにする。このあとは温泉にいって、お寿司を食べた。めちゃくちゃお腹が空いていたこともあり、30巻近く食べた。お昼にはカレーの大盛りを食べていたがそれでも足りないらしい。体を動かしたあとの食事量がいつもの倍以上になる。まぁ食べないよりはいいと思う。さらに電車に揺られて自宅に着いたあとにもコンビニで勝った雪見だいふくのようなスイーツを食べてた。

 一度ゲレンデに行くとまた行きたくなるもので、次に滑りに行く予定が楽しみでしかたがない。ブーツが破損してしまったので、次の予定までには新しいものを用意しておかねば。今回GoProでとったものは、映像がきれいなのだが動画作成に使うにはちょっと視点が下になっていてよろしくないのでお蔵入りになりそう。次滑るときは見た目にも良い映像が撮れると嬉しい。そして映像ばかりに気がいっていたせいか、写真を殆どとっていなかった。GoProで写真も撮れるのだから、もっと撮影しておけばよかった。GoPro の予備バッテリーも追加で持っていったほうが良さそうだ。予備を1つ持っていたのだが、3時間もするとバッテリーが切れてしまうため、午前中からゲレンデにいると最後まで持たない。このあたりも反省点として次回に活かしたい。