「Voice of Cards ドラゴンの島」を Nintendo Switch でプレイしました。プレイした感想などについて書いていこうと思います。ネタバレなど多分に含むと思いますので、これから始めるという方はご注意ください。
総評についてまずは書いておく
- 良かった点
- 「カード」というオブジェクトを用いた見た目やアクションの表現は(個人的には)新鮮であり、収集要素やカード裏面の「隠された要素」という印象をうまく使用したキャラクターの説明はゲームを楽しませる大きな要素となっている。TRPGが好きな人は気にいるかも知れない。
- 全体的に「ダークさ」で統一されたキャラクターデザイン、曲調により、物語全体を読み進めることがまるで洞窟を探検するようなちょっとした「恐怖感」を演出しており、明るみになる真実、細かいギャグがより一層印象に残りやすく、物語に没入しやすい
- リディが可愛い。
- 改善されるといいなと思う点
- マップ移動、戦闘のひとつひとつのアクションに、コマの移動やカードの演出など、アナログゲームのような所作がはいるため、単調であり時間がかかる印象を持った。ダンジョン内部のエンカウント率も高いという印象があり、ダンジョン攻略の時間は眠気がでてくるほど単調でつらく感じた。
- 戦闘はTRPGをモチーフにしたターン制システムで、「ジェム」というのがアクションに必要なコストとして支払われる。この「ジェム」が1ターンに1個しか増えず、増やす手段も限られているため、用意されているスキルのうち活用できるものが限られてしまい、戦闘におけるバリエーションが少ない。結果として同じ戦闘を繰り返すようになってしまい単調になりがち。
- 「Voice of Cards」と書かれているけど音声があるのはナレーション(ゲームマスター)のみ
ソフトカタログの動画で見かけたとき、カードを使った不思議な雰囲気に興味をいだいていたもののすぐに予約をするほどではなかった。しばらくは忘れていたのだが、マリオパーティーのソフトを購入するときに、最近発売したソフトとして表示されていたのを見かけて思い出し、これもなにかの縁かなと思って購入した。
ドラゴン討伐による賞金を目当てに、主人公(ダスト)とその連れのモンスター(メルブール)、同じ目的で同行するヒロイン的な女性(クロエ)の3人が旅するところからゲームが始まる。クロエをみたとき、名前と体のラインが出るような衣装から、テイルズオブレジェンディアのクロエを少し連想した。
いきなりモンスターを連れていることについて何の説明もないけどまぁこんなものかと受け入れて進めていた。ドラゴンに怯える住民という設定と、登場人物が全体的にダークな印象をもたせるビジュアルというのが、全体的に暗い印象を与えている。街の中や外に出ての移動がすべてコマを移動させるエフェクトになることで、「移動先選択、コマを移動、イベント発生」といった一連の作業を繰り返す形になっていた。TRPGというのをあまりやったことがない自分にとって、最初は特に違和感なく受け止めていたものの、進行するにつれてこの一連の作業が煩わしく感じ、もっとスムーズに進めたいなと思ってしまった。物語自体は続きがとても気になる内容だったため、メインシナリオが進みだすとワクワクするのだが、街やマップの探索は苦行に思えた。
戦闘システムはTRPGをモチーフにしたターン制の仕組みであり、プレイヤーのアクションには内容に従って「ジェム」というのを支払わなければ実行できない。このジェムは1ターンに1つしか増えず、他に増やす手段はアイテムを使うか、コストを支払わない行動をするか、クロエのスキルを使うしかない。レベルにあがるにつれてさまざまなスキルを覚えるのだが、後半に覚えるスキルはどれも必要なコストが高く、ジェムが場に貯まるまでターンを要してしまうため、高コストなスキルの使用はほとんどなかった。これにより、序盤で覚えたスキルのみで後半まで戦うこととなり、敵との戦闘はほとんど同じスキルの繰り返しで単調なものとなってしまった。ダンジョン内では敵とのエンカウント率も高く、眠気と戦いながら進めていた。
こちらがジェムのやりくりに苦労しているなかで、敵側は高コストな攻撃を毎ターンしかけてくる。理不尽すぎないか?と若干怒りを感じるときもあった。ボス戦となると、こちらはジェムの管理をしながら回復もこなし、スキができたときだけ攻撃してといった守備的な対応策しかとれず、戦闘は全体的に盛り上がりに欠けるなという印象を持った。
キャラクターやイラストについてはとても好感をもった。キャラクターそれぞれがなにかしらの「ダークっぽさ」をもった特徴をしており、モブキャラでも「なんだこいつは!?」といった目を引くものが多く、世界観に強く引き込まれる要因となっていた。特に自分が気に入ったのは途中からメンバーに加入する「リディ」。見た目と性格から可愛らしさが溢れていて、スリットから見える太ももがとてもセクシー。声を当てるとしたら釘宮さんとかが選ばれそうとか勝手に考えてた。戦闘でも攻撃と回復の両方をこなせてかなり重宝した。他の女性キャラでもスリットが多く見られたような気がしており、もしかしてキャラクターデザインを担当された方の趣味なのかもしれない。
ストーリーは思っていたより短い内容ではあったが、非常によくまとまっていて楽しむことができたと感じる。ナレーションの音声がふんだんに盛り込まれていたこともあり、朗読を聞いているような感覚にもなった。途中なんども選択を問われるような箇所があったが、おそらくシナリオとして大きく分岐するものはなく、最後に重要なカードが揃っていないときに問われる「何を救うか」ぐらいが大きな分岐と思われる。しかしこれも重要なカードが足りないためすべての選択がすっきりしない、腑に落ちない内容となる。最初この分岐に到達したとき、重要なカードが揃っていなかったので「ここまで来てこの終わり方なの!?」と驚かされた。
総じて、ストーリーや世界観、キャラといった部分に非常に惹かれる部分があっただけに、戦闘システムにおける物足りなさがもったいないと感じてしまうゲームだった。誰かのプレイ動画を流し見するぐらいが丁度いい楽しみ方なのかもしれない。