シン・エヴァンゲリオンをみおわった

 このタイミングでなぜ!?といった疑問があるかもしれないが、たまたまみれる時間が取れたのがこのタイミングだったというだけで特に理由はない。これまでのシリーズに対して特に考察などを行っているわけではないので、人並な感想になるとは思う。

 全体で2時間半ほど、映画の時間としては長めのものと思うが、だらだらとした印象はなく先の展開が気になりすぎて最初から最後まで休みなく見ることができた。難しいワード、世界観の理解でけっこうしんどいのかと思ったが、何となくこんなんだろうといった理解度合いであとは映像に見惚れる感じ。ロボットがどんぱちやるの好きなんで、戦闘シーンはずっと「かっこぇ~」って感嘆してた。脳死でみても楽しめるんとちゃうやろか。

ここから先ネタバレかもしれん

 まず観終わったときの達成感のような虚無感のような、「終わってしまったなぁ」という感想が口から出た。自分が学生の時から話題になってて、なにかイベントがあるたびにニュースなどに取り上げられて、いつになっても注目を集めるような大きなタイトルが終幕する。終わり方も、自分の中ではきれいにまとめたなぁという印象だったので、長い時間をかけたものがきれいに終わってすごい、終わりがちゃんとみられてよかった、感心と安心、このような感情が相まって大きな達成感に似た感覚を沸き起こし、そして時間とともに引いていく。この感情が落ち着いてくるのと同時に、虚無感のような感覚が徐々に満たしていく感じ。こういう感覚はおそらく2度と味わえないんじゃないかな。あるとしたらテイルズオブシリーズが終わるとか、そういった年月をかけて応援してきたものが終わるのを目にするときだろう。

 戦闘シーンすげぇってこと以外で印象に残ったんは、碇ゲンドウとシンジの会話が続くシーンで、ゲンドウが最後に電車を降りるあたりのシーン。ゲンドウが、自身が感じたことを淡々と語ってるだけではあるが、これが自分はTVシリーズの後半、シンジが自問自答を続けて結論を見出す流れと似てるなぁと感じてた。シンジとゲンドウで思い返す期間の長さに差はあるものの、大人も子供も自分のことについて悩んでその場その場で自分の結論を出すってところは変わらんのかなぁとか考えてた。

 そっくりさんがひとつひとつのあいさつについて「それは何?」と委員長に聞いたときの返答も印象深かったなぁ。「あいさつ」とはなにかと聞かれたら、自分なら「よく言う決まりごと」のような返答しかできないだろう。映画の中で言われていた「おまじない」のような意味を込めて日々の挨拶ができれば、とても素敵なことだなと感じた。

 キャラクターひとりひとりが魅力的なんですが、自分は映画を通してマリが一番好き。髪の長い知的でおもしろい女性は自分の好きなキャラクターの属性で、エヴァンゲリオンのキャラクターのなかだとマリが一番好みだった。できる女性へのあこがれは誰しもあるはず、たぶん。どんな状況であれ、面白い言い回しで余裕があるように見せることとか、人をからかいながらも本心をつく発言ができるとか、面白さと知的さを同時に兼ね備えることってけっこう難しいと思う。ミサトさんとかも好きではあるんだけど映画ではシリアスに寄りまくってたので、好きというより頑張れと応援したい人になってた。

 最後のシンジの声には驚いたな。成長をより具体的に表したいのかなとか考えた。というか緒方さんの声に馴染みすぎてて、それだけインパクトが出たということなんだと思う。

 エヴァンゲリオンの各映画の放映の間に、よく監督のドキュメンタリーとか、インタビュー記事とかを見る機会があって、映画の時間よりもそういった制作サイドのエンタメのほうが実際は放送時間が長かったりしないかな。ひとつの作品に対して長期間全身全霊で向き合い、最終的に大きな成果を上げるということは、仕事人としてとても尊敬し、参考にしたいなと思うこともしばしば。周りからの監督への印象が気にはなるものの、アウトプットで皆を納得させているような気もする。仕事への向き合い方についてまずは真似ていきたい。

 ほそぼそと追いかけてみてきたエヴァンゲリオンが終わって、人並な感想しか出てこないけれど、この作品に携わった人が大勢いて、人生に大きく影響を与えているということに、作品の凄さを思い知らされるばかり。人の注目を集め、人のモチベーションを上げ、自分も関わりたいと思わせるような魅力を長期間持ち続ける。この実現にどれほどのエネルギーを要したのかは想像することしかできない。とにもかくにも、無事に終わりまで走り抜けたことに最大限の感謝と敬意を送りたい。関係者の皆さん、とても楽しかったですありがとう。そして本当にお疲れさまでした。

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