師走の晴れ間に誘われて:2025年冬 大山登山記

 2025年12月28日。年の瀬も押し迫ったこの日、私が神奈川県の大山に向かったのには、明確な目的があった。それは、一年の罪穢れを祓い清める年末の神事「師走大祓」に参列すること。新しい年を清らかな心で迎えるため、古くから霊山として信仰を集めるこの地で、静かに一年を振り返りたい。そんな厳かな期待を胸に、冬の澄んだ空気が心地よい麓の町へと降り立った。この時はまだ、この一日が当初の計画とは全く異なる、忘れられない登山へと姿を変えることになるとは想像もしていなかった。

 麓の俗世から山上の神域へ。その境界線を越えるための道のりは、単なる移動ではなく、心を整え、聖なる空間へと意識を移行させていくための重要な儀式となる。緑色の車体が印象的なケーブルカーに乗り込むと、ガタンという小さな振動と共にゆっくりと斜面を登り始めた。窓の外には、冬枯れの木々の間から麓の町並みがみるみる小さくなっていく。高度が上がるにつれて感じる、日常から切り離されていくような高揚感。それは、これから訪れる神聖な場所への期待を静かに高めてくれる時間だった。

 ケーブルカーの終着駅を降りると、ひんやりと、しかし清浄な空気が肌を撫でた。石段を登った先、目の前に広がる阿夫利神社下社の境内は、師走の静寂に包まれ、訪れる者を厳かに迎え入れる。歴史の重みを感じさせる社殿に手を合わせると、慌ただしかった年末の心がすっと静まっていくのを感じた。参拝を終え、神社の持つ凛とした空気に満たされた後、私は境内に併設された茶屋に足を向ける。12月から始まった新メニューがあるらしい。冷えた身体を温めつつ一息つこうと立ち寄ったその場所が、この日の旅路を大きく変える転換点となる。

 旅における最高の思い出は、時に計画の余白に生まれる。この茶寮での休憩は、まさにその「余白」が生んだ嬉しい誤算であり、当初の目的であった神事への参加という計画を、より衝動的で忘れがたい冒険へと転換させる、決定的なきっかけとなった。

 訪れたのは、絶景を望む「茶寮 石尊」。席に着くと、まず注文したブレンドコーヒーの芳醇な香りが鼻をくすぐる。やがて運ばれてきたのは、名物の「升ティラミス」の新しいバリエーション、「ほうじ茶の升ティラミス」と、「御神水を使った水まんじゅう」。升から漂う清々しい香りと共にスプーンを入れたティラミスは、驚くほど軽やかで、それでいてコクのあるマスカルポーネクリームが舌の上でとろけていく。そして、御神水で仕立てられたという水まんじゅう。ひんやりとしたそれが舌に触れた瞬間、雑味のない清冽な甘さが広がり、熱いコーヒーの苦みと見事な対比を描いた。

 テラス席で甘味を味わっていると、眼の前には信じられないほど青く、澄み渡った空が広がっていた。「雨降山」の異名を持つほど天候が変わりやすい大山で、これほどの快晴は稀有なことだ。その完璧な青空に心を奪われているうちに、私の心の中に新たな欲求が芽生え始めた。「この天気ならば、山頂からの景色はどれほど素晴らしいだろうか」。特に、登山道の途中にある「富士見台」から、きっと雄大な富士の姿を望めるに違いない。ふとスマートフォンの時計に目を落とす。神事の時間は刻一刻と迫っていた。計画を投げ打って、ただの気まぐれで山に登るなど、正気の沙汰ではない。そう頭では理解しつつも、目の前の絶好の機会を逃す手はないという衝動が、理性を上回ってしまった。私は急遽、山頂を目指すことを決意した。

 予期せぬ好天がもたらした、新たな目標。神事への参加という静かな目的は、山頂からの絶景を目指すという動的な挑戦へと変わった。茶寮で得たエネルギーを胸に、私は本格的な登山道へと足を踏み出した。ここからの道のりは、単に標高を稼ぐための身体的な運動ではない。一歩一歩、自分の足で聖なる山を登るという行為は、厳しい自然の美しさを五感で受け止め、己の内面と静かに対話する精神的な旅でもあった。

 息を切らしながら登山道を進むと、やがて視界が開け、「富士見台」に到着した。そして、そこに広がっていたのは、私の期待を遥かに超える光景だった。雲一つない紺碧の空を背景に、真っ白な雪を頂く富士山が、あまりにも雄大に、そして神々しくそびえ立っている。厳しい冬の空気がもたらす透明感の中、その輪郭はどこまでも鮮明で、まるで一枚の絵画のようだった。登りの疲れなど一瞬で吹き飛んでしまうほどの、圧巻の絶景だった。

 富士見台での感動を力に変え、最後の急な階段を登りきると、ついに大山の山頂に到達した。ミニチュアのように広がる関東平野の町並み。そして遠くには相模湾がキラキラと輝いている。冬の澄んだ空気のおかげで、普段は見ることのできない遠方まで見渡すことができた。この景色は、自らの足で登り詰めた者だけが享受できる、何物にも代えがたいご褒美だった。いつまでも眺めていたい絶景を背に、名残惜しさを感じながらも下山を開始する。山頂で得た大きな達成感と感動を胸に刻み、私は来た道とは異なるルートで麓を目指すことにした。


 旅の終わりは、必ずしも計画通りに美しく収束するとは限らない。下山ルートの選択という小さな判断は、この旅の結末に予想外の影を落とすことになった。帰りは変化をつけようと、「見晴らし台」を経由するルートを選んだが、この選択が誤算だった。登りよりも距離が長く、岩場や急な下りが続く道は、想像以上に体力を消耗させた。陽が傾き、美しい夕景が広がる一方で、私の下半身には着実に疲労が蓄積していく。日没が迫る中、焦りと疲労感がじわじわと心を支配し始めた。

 長く険しい下山道を終え、ようやく阿夫利神社下社まで戻ってきた頃には、オレンジ色の日が山を照らしていた。そして、私がこの旅の本来の目的としていた「師走大祓」は、とうに終わってしまっていた。間に合わなかった。その事実に気づいた時、山頂で得た達成感とは裏腹の、深い悔しさと残念な気持ちが胸に広がった。あの絶景は、この神事を諦めたことと引き換えに得たものだったのだ。果たして、この交換は釣り合うものだったのだろうか。古式に則った神事で得られる共同体の中での清めと、独り自然と対峙し、その荘厳さに心を洗われるような個人的な体験。どちらがより深い「祓い」であったのか、その答えはすぐには出なかった。

 疲れ果てた身体を引きずり、参道の店先で一本の「串団子」を買い求めた。温かく、もちもちとした食感と、素朴で優しい甘さが、空腹と疲労で満たされた身体にじんわりと染みわたる。それは神事に参加できなかった心残りを完全に消し去るものではなかったが、確かに私を慰めてくれる、ささやかな救いだった。疲労と、達成感と、少しの心残りをないまぜにした感情を抱えながら、再びケーブルカーに乗り込む。ゆっくりと麓へ下っていく車窓の暗闇を眺めながら、思いがけない展開に満ちた今日一日の出来事を静かに反芻していた。


 この日の大山訪問は、当初の目的であった「師走大祓」への参加を逃すという、計画の失敗に終わった。しかし、その代わりに私は、生涯忘れることのないであろう絶景と、予期せぬ登山を成し遂げたという確かな達成感を手に入れた。

 もしあの日、天気が悪ければ。もし、茶屋に立ち寄らなければ。私は計画通り神事を終え、穏やかな気持ちで帰路についていたことだろう。だが、計画が崩れたからこそ出会えた、雲一つない空に映える富士山の姿。山頂から見渡した広大な関東平野。そして、目的を果たせなかった悔しさと、それを癒してくれた団子の甘さ。喜びと少しの悔しさが混じり合った、完璧ではないからこそ愛おしい一日。計画通りに進まないことこそが旅の本質であり、その偶発性こそが、旅を忘れがたい記憶へと昇華させてくれる。そんな当たり前の真理を、冬の大山が静かに教えてくれたような気がした。

車山を登ったよ

1つ前の記事の続き

 「ころぼっくるひゅって」でこの日の目的はほぼ達成されたと言ってもいい。ただここまできたならと、車山周辺を散策しつつ車山登頂を目指すメジャーどころのハイキングルートをまわってみることにした。

 まず散策したのは車山湿原に向かうルート。このときちょうど、6月の高原を代表する花でもあるレンゲツツジが見頃を迎えており、広い緑の絨毯の中に点々とオレンジの花が群生していた。高原は花のイメージがあまりなかったので、これほど色が散りばめられている状態にとても驚かされた。空の青、雲の白、高原の緑、そして鮮やかなオレンジ。絵画の中にいるような、日常では見られない景色。上空の風が強いのか、雲に太陽が隠れたりまた現れたりという陽射しの明暗もころころと変わり、様々な表情を見せてくれたのがとても印象深かった。

 バスですでに車山山頂に近い標高までは登っている。事前に見たガイドでも山頂まで20分と書いていた。ハイキング気分で登りきれるだろう。そんな甘い考えは簡単にくじかれた。傾斜はさほどないものの、40分ほどしっかりと歩いたと思う。道ははっきりとしていたものの、大きめの岩が足場をなしているという箇所がいくつもある。ちゃんとした靴でなければ足への負担は相当なものだろう。登り始めこそレンゲツツジがちらほら見かけられたが、登るにつれ徐々に明るい色は山からなくなる。上を見ると空と高原のみだが、下方をみれば、先ほどまでいたころぼっくるひゅってを遠くに眺めつつ、斜面に伸びる灰色のビーナスライン、その道に沿って車やバイクが時折大きな排気音をたてながら進んでいく。ミニチュアを見ているような光景で、自身がいる高さを実感できる景色。頂上までの道のりが、まっすぐ進むというよりは大きく蛇行しながら緩やかな傾斜で登り進むものなので、下方に見える景色も進むにつれ変わってくる。360度カメラで録画しつつ、気になる場面があればスマホでも写真を撮ったりしながら、ゆったりとした足取りで頂上を目指した。

 大きな岩が地表にたくさん見え始めてからしばらく登ると、大きな白い球体を乗せた建物が見えてくる。これは「車山気象レーダー観測所」という建物で、これが頂上の目印になっているようだ。

 頂上の空間は非常に広く、くつろぐためのテラススペースが大きく設けられている。まずはぐるっと頂上の縁をなぞるようにまわってみる。ここまでの景色にくらべより遠くが見える。天気が良いなかで厚みのある雲がかかっているので、山肌に雲の影がはっきりと現れ、まだらな模様を作り出しているのがとても綺麗。景色に見とれていると時折風に煽られる。天気の変わり目が近いからなのか風が強い。帽子を被って登っていたが、飛ばされてしまいそうだったので鞄にしまった。一通り景色を堪能したところで、今日のもう一つの目標を遂げるため、準備にとりかかった。

 朝起きて家を出る前に、コーヒーを淹れて水筒に入れてもってきていた。自分の淹れたコーヒーを山の上で飲む。コーヒーを自分で淹れ始めたときから、アウトドアでもコーヒーを楽しみたいという思いを抱いてた。その最初のステップとして、まずは家で淹れて持って行く、ここ車山でそれが達成できた。このときもっていったコーヒーは、東京コーヒーフェスティバルで購入した ignis のコーヒーフィスティバルブレンドの豆を使用して淹れたもの。スパイシーな刺激的な風味の中に、ラベンダーを想起させるフローラルさを兼ね備えたコーヒー豆。その香りの広がり方はとてもインパクトがある。時間経過による風味の変化も大きなものであったので、遠出するにはあまり向いていなかったかもしれないと、頂上で風味を確認したとき感じた。それでもこのコーヒーを頂上で飲んでいる間は至福の時間だった。

 頂上でしばらく景色とコーヒーを堪能したところで、今度は来た方角から反対の方角に進んで下山していく。実は車山の頂上には、車山高原側からリフトで登ることができる。頂上で写真を撮る人の中にヒールを履いた女性がいたので、このリフトを最初知らなかった自分は「その靴でここまできたのか?」と驚きの表情でその女性を眺めていた。近くに車山スキー場があるのでリフトがあることは想像できたが、思っていた以上に頂上に近い場所まで続いていた。車山肩からの経路は緩やかな斜面であったのに対して、車山高原からの道は非常に急で、頂上付近は足場の狭い階段となっている。時間にも余裕があったので、歩いて散策しようと階段を降り始めたのだが、足場の狭さと傾斜を体感すると「リフトでもよかったかな」と思わずにはいられない。前方を進む家族連れは幼い子供もいて、この急な階段を子供に歩かせるのかという驚きと、子供に対する称賛がないまぜになった気持ちを抱いたりもした。急斜面というのは景色も広く見渡しやすいという一面もあるのだが、足元に注意を向けなくてはならず、なかなか景色をゆっくり拝むことができない。片手に360度カメラを握っているというのも足元が不安になるひとつの要因だっただろう。今度はマウントとかも考えないとな。

急な斜面を降りていたことで、すぐにレンゲツツジが現れるぐらいの高さまで降りてきた。おそらく雪のシーズンでは林道コース(あるいは迂回コース)として用いられているのであろう道を進んでいく。ゲレンデとしての景色はどうなんだろうかという想像をしながら降りると楽しい。すこし傾斜がなだらかになったかなというところで、TOPS360°というレストランがあったので一度休憩を取ることにした。下り坂は体力よりも関節への負担が気がかりなので、早めの休憩は大事。

 動画投稿者の主食(?)となるソフトクリームとコーヒーをいただく。ソフトクリームのコーンの部分がラングドシャのクッキー生地のような素材になっており、少ししっとりとした食感だったのが新鮮。そしてコーヒーはフレンチプレスの器具で提供されており、深煎りと中煎りのどちらかを選べるというのもこだわりを感じる。ソフトクリームとコーヒーがともにコクのある風味をもっているので、重厚な味わいが口の中にしっかりと残るのが印象的だった。ここは事前に寄る予定はなかったものの、時間的に余裕があったことでいい発見ができた。今度はぜひとも冬のシーズンに訪れたい。

下に降りていくにつれ、なにやら賑やかな音楽が聞こえてくる。どうやらこの日、音楽イベントが車山高原でやっており、ハイキングコースもこの期間だけ変わっていた。正直後半はあまり見どころというものはなく、しかもかなり賑やかな雰囲気で、自然を堪能するといった感じではなかった。大きな荷物を背負った自分の見た目もだいぶ場違い感があったので、ちょっと居心地は良くなかったので、そそくさとバス停の待合室に隠れるように入り込んだりした。車山湿原をぐるっとまわるようなコースが良かったかもしれない。

 車山高原からバスに乗り上諏訪駅まで戻る。車山高原のバス停にいるときから旅の終わりを意識してしまい気持ちが徐々に静まる。行きのトラブルが起こったときはどうなるかとも思ったが、今はとにかく満たされたという気持ちが大きい。ころぼっくるひゅっては想像以上の環境と食事、車山までの景色も見応えがあった。体を動かすのが好きな自分にとっては心地よい程度の負荷のハイキング。天気も恵まれ、総じて最高の1日と言える旅だった。こうして1日を上諏訪駅の足湯につかりながら振り返ることができるのも最高。来たときに「駅構内にあるのか」と驚くとともに「帰りに時間があれば寄ろう」と思っていた。今度来るときは替えの靴下を持ってきておくと良さそうだ。こういった旅先のちょっとした巡り合いというのが旅の醍醐味でもある。

 360度カメラの録画は「どんな映像が撮れたのかな」という帰ってからの楽しみにもなっている。スマホのアプリなどを使えば道中の時間があるときに確認することもできるのだが、電池や手間の都合もあり帰ってからまとめて確認しようと判断していた。しかしこれが仇となる。専用のソフトで動画を開いて、色んな方向の景色を確認しようとしてみるが、画角が変えられない。よくよく確認してみると、なんとシングルカメラモードで録画してしまっていたのだ。これはスマホで動画を撮るのと同じようなもので、360度カメラで録画しているのに360度を撮っていないという、なんとももったいないことをしてしまっていた。数本撮った中で1つだけ360度カメラモードになっていたが、他はすべてシングルカメラモード。山頂の展望台からの映像もシングルカメラモード。もっと広く映せるはずの景色も、一方向で切り取ったものになってしまっている。なんてことをしてしまったのか。まぁこれはこれで再走するモチベーションにはなりますね。車山湿原や他の登山道など、車山登頂は複数回楽しめる場所だと思うので、ポジティブに捉えるとしよう。コーヒーを山頂で飲むなど、初めてのことも多く、できたことや新しい課題など、今後やりたいことがよりクリアになったと感じます。録画のトラブルを含めても、この日は本当に楽しい1日でした。

御岳山(東京)を登って日の出山に行ったよ

 友人から「関東圏で登山しません?」とお誘いをいただき、なかなか会えない友人ということもあったので、特に何も考えずに「行きたい!」と返事をした。自分の登山経験は、富士山と高尾山のみ。これを聞いた別の友人からは「登山の上級と初級の極端な経験しかあらへんのな」と言われる始末。富士山のときは道具をすべてレンタルし、高尾山ではほぼ普段着といった軽装、靴も通常のもので問題なく登れてしまったため、登山に必要な装備というものを何ひとつ持っていない状態。最低限必要な装備として、靴はあった方がいいとアドバイスを貰ったので、まずは登山前日にモンベルの店舗に行き、良さげな靴を購入。登山だけではなく、観光などで長距離を歩くようなときにも使いやすいように、カットが短いものを選んだ。

 登山当日、天気が心配されたが日頃の行いもあってか雨の心配はしなくても良さそう。始発の電車に乗り込み、御嶽駅に向かう。目的地が近くなるに連れ、車両の中は登山しに来ましたと服装が物語っている人たちばかりに。自分はどうだろうか。カバンこそ大きめではあるが、下がジーパンだったので「そんな格好で登山するとは山をなめてるな」とか思われてるかもしれない。集合時間よりも早めに着いたので、御嶽駅の待合室で電車に乗る前に買っておいたおにぎりで朝食。ゆっくりと座って風をしのげるスペースがあってよかった。

御嶽駅

 自分を含めて3人で向かう予定なのだが、友人1人が御嶽駅までの道中でトラブルにあっていた。少し遅れての出発となったが、まぁ今回の登山は初心者の自分がいるため、ゆったりとした登山計画となっており、時間にもかなりゆとりを持った予定となっている。多少の遅れなど影響はないだろう。御嶽駅からバスに乗り、ケーブルカー乗り場まで向かう。ケーブルカーである程度の高さまで登ってから、登山開始といった計画だ。御岳山の標高は930mほどなのだが、ケーブルカーで800mほどの高さまで来ることができるので、登った高さとしてはさほど高くはありません。ケーブルカーに乗り込むと、偶然一番前の位置に立つことになったので、斜面に沿って進行方向に伸びる線路をみながら電車に揺られていました。線路の傾斜をみて、雪山でこの傾斜を滑るとなるとかなりビビりそうだ、などと友人と話したりしていた。

 

 ケーブルカーを降りた先は展望台となっており、さらに頂上に伸びるリフト乗り場なんかもあって、この山は足で登らなくてもいいんだなということを知りました。自分たちは歩きに来たのでリフトは使用しませんでしたが、足が不自由になったときに山に登りたい欲求にかられたら今後利用するかもしれませんね。

 さぁここから山を登るぞ!と気合を入れて進んだのですが、舗装された道を民家、宿舎を横目に歩き、登山というよりも、ちょっと山に近い集落を散歩しているような気分でした。インフラとかどうやって整えているのか疑問に思いながら、30分程度歩くと御岳山山頂の武蔵御嶽神社につきました。早いね。ペースが早いというのも多少あったのかもしれませんが、ケーブルカーを使用すると、頂上ってわりとすぐついちゃうんですね。武蔵御嶽神社では「おいぬ様信仰」というのがあり、ワンピースでも「大口真神(オオクチノマカミ)」というのが出ていると友人が教えてくれた。道中、やたらと犬を連れた観光客がいるなとは思っていたが、なるほど、犬にまつわる信仰がこの神社にはあったのか。

 神社をぐるっと回って、石段を降りる。このまま帰路につくわけではなく、このまま尾根に沿って日の出山に行き下山するというのが本日の予定ルート。武蔵御嶽神社を後にしたあと、立て看板の指示に従いながら日の出山に向かう。分かれ道があるたびに、進行ルートがかなり丁寧に案内されておりほとんど迷わずに進むことができる。しだいに舗装された道から山道となっていき、自然に近い雰囲気を味わいながらハイキングすることができ始めた。

 木々は日差しを逃すまいと、青々とした葉を大きく広げ、すでに夏の準備をしているようで、色づいた春の化粧は見事に地面に落とされていた。もっと早くに来ていれば、きっと桜色の木々が観光客と空の間に雅な層を作り出していたのかもしれないといった想像もできるが、今は上に見えた桜の層が山道や周辺の土色を隠すように、桜色の絨毯さながらに広がっていた。

 尾根伝いを歩いていることもあり、高低差もさほどなく、ずんずんと突き進む。前日の悪天候によって少し足場にぬかるみはあったものの、新しい靴が十分に機能し、足をすべらせるといった不安定さを体感することもなかった。靴ずれのような、長時間はいてなければ発生しないような不調も特になく、いい靴を買えたなという確信が生まれていた。そして武蔵御嶽神社を出て約40分ほど経過した頃、日の出山の山頂に到着した。予定では1時間ぐらいかかる見込みだったんだけれども、だいぶ早い。山頂はひらけており、たくさん設置されたベンチには一休みする登山客で溢れかえっていた。その中でコーヒーを淹れている人もいて、なんと優雅なのだろうと強いあこがれを抱いた。自分も今後やってみたいなと友人と話しながら、自分たちもしばらく一休み。この後下山になるのだが、ご丁寧なことに「つるつる温泉」という浴場までの道のりが、道中の立て看板で指し示されており、下山でも迷うことなくすんなりと進むことができた。やはり温泉は登山とセットなんですね。

 日の出山山頂から下山しはじめてしばらくは、細かい階段が続いた。段の幅が非常に狭く。足を横向きにしながら降りなければ、靴が段差に引っかかって転倒してしまいそうになるほど。日の出山山頂に向かう人達とすれ違うたびに、この段差を頂上までしばらく登り続けるのは酷だろうな、などと心のなかで同情していた。短い距離でいっきに降ろされた感覚で、足元に最新の注意をはらい続けたことによる気苦労が疲労として次第にのしかかる。階段が終わり、斜面になったあとは、ぬかるんだ足場で滑らないように再度注意を払う。靴が優秀とは言っても限度があるので、木の根を避けるように足場を選んだり、時には手を付きながら体を支えて降りたりと、下山中がいちばん登山をしているという実感があったかもしれない。逆にこれを登ろうと思った場合、体力が持つか自信がない。登山を今後するにしても、体力が個人的には課題になりそうだ。

 1時間ほど下り続け、「日の出山ハイキングコース入口」の立て看板が見えた。下山してきた自分たちからすればゴールなわけだ。ずっと下り坂だったためか、時折膝に違和感があったので、ゴールが見えたときは安心した。高低差約900mというのは、今の自分の筋力、体力だと登って降りるということがもしかしたら難しいのかもしれない。今回は比較的楽な行程を友人にたててもらったわけだが、例えばケーブルカーを使用せずに登るといった道のりだった場合、最後まで気持ちに余裕を持って追われることができたか自信がない。それでも、登山自体は非常に楽しめたので、コーヒーを淹れるという新しい目標とともに、今後も時間を見つけて挑んでみたいと思えるものだった。GoProをつけて、道中を撮影して、また小春六花で動画を作ってもいいかもしれないとか、妄想だけが先行する。やってみるとさらにやりたいことが広がるというのは、多趣味な人の特権かもしれない。

 このあとはつるつる温泉でさっぱりした後、武蔵五日市駅にあるカフェ「do-mo factory blan.co」で遅めのお昼ごはん。「お食事コッペ   ~鴨ロース&トマト&チーズ~」とホットコーヒーをいただきました。疲労感もあってかめちゃくちゃ美味しかった。コーヒーは酸味のあるさっぱりとした風味のもので、酸味以外の成分が十分に引き出されており、酸味が強すぎない、飲みやすいコーヒーでした。酸味のあるコーヒーで美味しいものはこんな風味がするのかと参考になる。

 

 早朝から活動を開始して、山を登って降りて、家に帰ると15時頃だっただろうか。適度な疲労感というのは心地よいもので、睡眠の質もあがるだろいうという期待が持てる。やはり自分は体を動かすことが好きなのだろう。今後も続けたいなと思えるほど、好印象のまま終えることができたのは嬉しい限り。せっかく買った靴も擦り切れるぐらい履きまくろう。最初はかなり急な計画ではあったが、手を上げておいてよかった。筋力や体力を付ける意味でも、定期的に山に登らなければ。まずは近隣で初心者向けの山を探そう。新しい趣味がまた自分を駆り立てていく。しばらくは好奇心に身を委ねて、ハマるところまでハマり、イケるところまでいってしまおう。

高尾山に登った

 小樽から帰ってきた翌日、朝から友人と高尾山に登った。疲労が少し残る状態ではあったが、そこまで高くはない山なのでたぶん大丈夫、くらいの気軽な気持ちで挑んだ。

 8時半ごろ高尾山口駅で集合し、久々に再会する友人たちと近況など話しながら高尾山の登山口に向けて歩いていく。早朝とはいえ休日ということもあってかすでに人が多いという印象。すでに高尾山に登ったことがある友人からすると、まだ少ないほうだとのこと。これより多いとなると歩くスペースがないんじゃないか?朝早くから来ておいてよかった。

 高尾山を登るルートはいくつかあり、自分たちが登りのルートに選んだのは、より自然を堪能できそうだということから6号路から進むことにした。ケーブルカー乗り場を左側に抜けて進んでいく。舗装された道路がしばらく続き、一軒家もまだチラホラ見えてるところから、脇道に細い道がありこれが登山道となっていた。

 11月後半の朝方ではあったが、天気に恵まれたこともあり日向に出れば暖かい。山に入っていくと影も多く、沢沿いを進む道だったこともあって涼しさが心地よいと感じられる非常にいい気温だった。念のため厚手の上着も持ってきていたが、今日はかばんの中で雨具とともに出番なく終わるだろう。

 暫く進むと岩屋大師という祠のような横穴が見えてくる。この場所について後で調べてみたが、弘法大師(空海)が修行したとか病の人を助けたとかいろいろ出てきて真相はわからなかったが、高尾山にいくつかあるパワースポットのひとつとのこと。なんでもいいのでご利益ください。

 岩屋大師をあとにして少し進むと、今度は分岐した道の先にお堂のような建物が見え、更にその奥には琵琶滝をみることができる。時期によっては滝行をすることができるんだとか。

奥に見えるのが琵琶滝

 琵琶滝のあとしばらくは山道をひたすら登るのみ。途中にベンチが置いてあるスペースもあり、適宜休憩や軽食をつまみつつ、大木の根っこがあらわになって凸凹した足場や、水を含んでぬかるんでいる足場を超えて、一歩一歩確実に登ってゆく。アスレチックに挑んでいるような感覚でとても楽しい。紅葉し始めている木とまだ青々としている木が入り混じったような景色に囲まれ、進むごとに変わりゆくその景色が疲労を忘れさせてくれているようだった。写真を撮ろうとして少し足を滑らせるという場面もあった。写真を取るときはちゃんと立ち止まってから撮ろう。

 8割ほど進んだ頃だろうか、足場が真新しい木製の階段になった。これまで凸凹した斜面だった足場が一様に平坦な足場となり、山を登っているという感覚が薄れてしまった。しかもこの階段が長い。職場のオフィスの階段を登っているようで、自然一色だった雰囲気から急に人工的な要素が差し込まれたことに戸惑い、疲労を感じやすくなっていた。

 階段ゾーンを登りきり、頂上に近づくにつれて、複数の登山道が合流し人も増えてくる。人だかりも見えてきて頂上らしき場所が視界にはいってきた。最後の坂を登りきり、無事に頂上に到着!頂上の木々は多くが紅葉しており、登る途中で見た木々に比べて色濃くなっているものが多かった。いいタイミングに来れたなと実感できた。山頂を示すモニュメントには、写真撮影のための長蛇の列ができていた。これを待つぐらいなら少し離れたところからとったらいいかととったのが下の写真。

 頂上には広く渡せる展望台があり、晴天に恵まれたことで富士山もきれいに見ることができた。

 頂上には軽食も売っており、自分は物珍しさから味噌田楽こんにゃくを頼んでかぶりついていた。お腹が空いていたことや山の頂上という相乗効果もありめちゃくちゃ美味しかった。頂上にある施設の中では展示スペースがあり、高尾山周辺の自然について知ることができる。しかしながら友人との話題の多くは、高尾山までの別の登山道についての話で、陣場山から5,6時間かけていくつかの山を経由して高尾山まで来るルートのこととか話していた。さすがにそのルートはもっと体調を万全にした状態でないと難しいやろうな。

 山頂も満喫したので下山し始める。今度は1号路を通っていくのだが、この1号路を通って上がってくる人が多いため、すれ違う人がめっさ多い。というか登りの列が長すぎる。紅葉シーズンでお昼時、1号路はさまざまな観光スポットもあるため、この時間帯に登る人たちはほとんど渋滞を進むような状態となっていた。それを横目に自分たちはスイスイと下りていく。1号路を登る場合は早朝に来るか、シーズンを避けてこないと自分のペースで登るということは難しそうだ。

 1号路はほとんど舗装された道となっており、凸凹したような足場はほとんどない。また、薬王院がある辺りは石造りの階段が続いていたりもする。薬王院は下りだと本社が先に見え、更に下りたところに本堂がある。本堂のところで多くの観光客が手を合わせており、出店もいくつかならんでいた。体を動かしているからかお腹がすぐに空いてしまい、出店の焼団子を頬張ってお腹を満たしていた。景色のいいところで食べる団子は格別。団子は他の場所でも売っており、場所によって味付けが違うので、今度来るときは食べ比べてみようかなとか考えてた。

薬王院本社
薬王院本堂

 杉並木を通り、ゆるいスロープを降りていき、ビアガーデンの整理券街の列とかを眺めつつ、色んな場所の紅葉を写真に収めていく。1号路の下の方にある木々のほうが広範囲に紅葉しているような気もする。金比羅台を超えたあたりからはかなり急なアスファルトの斜面で、ブレーキをかけるために下半身に力が入るのだが、衝撃がひだなどを傷めないか心配になった。1号路を登ってこようとすると序盤にこんな急な坂道を登るのかと考えると、1号路で登るという選択肢はないな。それに舗装されていることもあって登山しているという感覚が薄れてしまうと思う。

 坂を下りきって無事に高尾山から下山。時間は13時頃だったので、だいたい4時間半ほどの道のり。登りは自然の中を通っている感じがあって楽しかったけど、下りは紅葉がとても綺麗ではあったものの人の多さや舗装された急斜面ですこし気分が乗り切れないところはあったかな。このとき一緒に登った友人から、登山中にヤマノススメというアニメで高尾山がでてたよと教えてもらったので後日みてみたら、1号路から登って6号路からおりていたので、ちょうど反対の順路を通ったことになる。自分が登ったときは6号路は登り専用だったため降りれないが、あの山道を下るほうが怖そうだなと感じた。濡れていたりもするのでより滑りそう。

 そして登山が終わったあとはみんなで飲み会。久々に会うメンバーでみんなテイルズオブシリーズを通して知り合った間柄ということもあり、さらにはちょうどこの日にイベントもあったので、話題の多くはテイルズ関連のものとなった。新作のアライズはどうだったとか、イベントではなにか新しい情報は出るだろうかなど、とても話が弾んだ。普段はあまりお酒を飲まないが、昼間から飲んだくれてもたまにはええやろ。

 帰ったら足が棒になってた。動けん。なにもできん。まぁそれでも予定を詰め込んだかいはあったな。こんなふうに直接会ってみんなで楽しいことをして、お酒を飲んでたくさん話してということをこれからもっとしていきたい。

富士山登頂準備

2018/08 の富士山登頂の準備について自身の備忘録目的も兼ねて記録する

自分は未経験者だったので、宿の手配は経験者の友人がやってくれました。

なので、そのあたりの詳細については省きます。

泊まった宿は東洋館というところで

美味しいハンバーグ定食が夕食として出てきます。

合わせて、いなり寿司を翌日のお弁当として持たせてくれました。

持っていくものの準備について

自分は初心者で山登りの道具は何も持っていません

そのため、全面的に道具はレンタルしました。

レンタルしたのはやまどうぐレンタル屋

レンタルした内容はフルサポート12点セットで1泊2日手ぶら割
(15000円ぐらい)

受け取り場所は吉田ルート5合目店として予約

一緒に富士山に行った友人は初心者6点セットを選んでたりしましたが

砂埃などで結構汚れるので洗濯の手間を考えると
フルセットのほうがよいかも

ネックウォーマーやマスクのような口や鼻を覆うことができるものがあると砂埃が口にはいることを防ぐことができて有効

天気がいいと日差しが強いのでサングラスはお好みで

これ書いてる間に1年ぐらい経ってしもうたのでここまでで(=ω=;

富士山登頂(2018.08.17-18)

友人に連れられて、富士山に登ってきました

大学のときに行きたいと話はしていたものの、

行動に移せず月日が流れてもう社会人数年目

ここを逃すと今後チャンスがないと思い、思い切って登ることを決意

普段使わない太ももを酷使しつつ、雲の上からの風景を拝み、無事登頂

もう一度くるかもしれないので、今回の登山の準備などを

次回の投稿にて記録しておこうと思います。