社会人10年の振り返り(初年~3年)

 今の会社に新卒入社で入って10年ほど経った。いい区切りでもあるので社会人になってから今までを少し振り返ろうと思う。まずは今の会社を選んだきっかけから社会人3年くらいまでを思い出して書いてみる。

 大学で時系列データから情報を読み取るといったことをしていたので「データが見たい」と就活ではよく発言していた気がする。書類選考や初期段階の面接は突破するものの、終盤の面接で自分はこれがしたいってことを言いまくったらだいたい落ちた。それでもめげずに頑張ってようやく採用してもらえたのが今の会社。というかこの時期にデータ解析について取り組んでる企業がほとんどなかったというのが背景にあるのかなと今となっては思う。マイクロソフトとか楽天とか、当時選考で残ってた企業でそれなりにデータを持っているところしか残ってなかった。

 入社して研修も終わり、最初に配属されたチームはサービス内の検索ボックスで検索されるときに発生するログを集計し可視化する社内向けプロダクトの開発・運用をするチーム。データを扱う部門に配属されたのは100人ぐらいの新卒のうち自分を含めて5名ほど。他の同期はわりとざっくりした開発チームにまとめて配属とかになっていたので、データが見たいですと面接で言い続けてよかったと実感した。配属されたチームは自分を含め6名ほどの構成で、先輩方は比較的若い方が多く、30代のエンジニア1名を除くとほかは20代の方しかいない。年齢が近いこともありとても話しやすい環境だったのは、新社会人の自分にとってとてもありがたかった。

 大学でデータを集計して可視化することはすでに経験していたものの、このチームで扱っているデータの規模は大学のそれとは比較にならないほど多い。ただ足し合わせるような簡単な集計でも普通にやると数時間かかってしまうので、並列分散処理の仕組みをうまく使わなければならず、この辺の知識を身につけることに最初は苦労した。データベースに関する知識についても、少ないデータ量で使用するのであれば細かい設定を気にする必要はなかったが、このチームで取り扱うデータ量では安定稼働させるための細かいチューニングが必要だったり、さらに深い知識が必要になった。同時に、開発経験があるといっても書いたコードの量は多くなかったので、チーム内ですでに出来上がっているシステムの理解や、日々上がってくる改善コードの理解にも苦労していた。それでもやりたいことができているという実感だったり、新しいことを覚えるのが楽しいと感じることが多く、ただただ目の前のタスクをこなすことに充実感を得ていた。

 勤めている会社の社員が数百人いたこともあり、仕事に関わらず社内にはさまざなコミュニティが存在する。仕事以外での関わりももっておきたい、いろいろとやってみたいと当初思っていたので、テニスやフットサルのスポーツのコミュニティ、勉強会のようなコミュニティ、ぷよぷよなどのゲームコミュニティに参加して、休みの日にチーム以外の人達と交流したりしていた。この交流のかいあってか、比較的広く名前を覚えてもらえて、仕事の会議でコミュニティの人と偶然出会うといったこともしばしばあった。今思えばかなり活発に動いていた。1~2年目で知り合った方を通して貴重な体験をさせてもらったり、いろんな話をして価値観の共有ができたので、この時の活発な行動はやっててよかったと振り返ってみて強く思う。

 同じチームで2年ほど過ごし、社内プロダクトについて理解が深まってきたところで、ある程度大きめのタスクも任されるようになった。当時担当していた社内向けプロダクトを規模の拡大などに対応するためリプレイスするというプロジェクトが進んでおり、その集計部分に関するシステム設計を任された。また、コード管理に当時はSubversion(SVN) が使用されていたが、より管理がしやすいと話題になっていたGithub に移行したいですと自分が提案し、この移行プロジェクトについても自分が任される状態となった。プロダクトを0から作ることや、コード管理システムの移行というのは初めて取り組むことだったので、今までやっていたタスクとは一味違い、何が正解なのかわからない中で、手探りでやらなければならないという難しさがあった。先輩とたくさん相談し、ああでもないこうでもないと頭を抱えたのをよく覚えている。

 当時の自分の精一杯を詰め込んだ設計はなんとか認められ、Github への移行も大きな問題は起こらず、リプレイスのための実装がある程度進んだときに先輩から「Github でのコードレビューしやすいね。移行してよかったよ」と言われたことがめちゃくちゃ嬉しかった。設計については実装が進むにつれ「ここはこうじゃないか?」と見逃していたものがいくらか発見されたものの、大きなトラブルも起こらず実稼働までこぎつけることができた。大きなタスクの成功は大きな達成感を得られるだけではなく、昇給など目に見える形でも返ってきた。大きなタスクに限らず日々の運用業務なども含めた自身の働きにより、このチームにおける自分の存在意義を見出したような感覚があり、このチームに自分はなくてはならない存在になれたのではないかと考えていたと思う。このときのことを今思うと、かなりポジティブ思考になっており、悪く言うと調子に乗って若干天狗になっていたかもしれない。

 まずは就活から3年ほどをざっくりと思い返してみた。細かい出来事はだいぶ端折っていますが、仕事においては、目の前のタスクをこなし続けることに集中した時期だったように思う。仕事が楽しいと感じており、気づいたら深夜残業してたということもよくあった。仕事以外でもいい形で人とのつながりを職場で作れていたので、悩みというものを抱えていなかったと思う。とてもいい時期ではあったものの、自分がここ10年で特に印象に残っている時期はこの3年ではなく、この後の3年のほう。この後はさらに長くなると思うので今回は一旦ここで区切る。

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