小樽冒険記 Part5「鰊御殿・博物館・BarV」

こちらの記事は前回の記事の続きになります。

 おたる水族館を満喫して外に出て階段を降り、バス停を通り過ぎて更に坂を下り、T字路に出たところで左手に。道なりを進んで坂道を登った先に見えてくるのが鰊御殿。更に奥に見えるのが日和灯台。

 少し天気が下り坂になってきたこともあったので、坂をさらに登って先に日和灯台のところまで来てみた。紹介の看板が立っていたので読んでみると「喜びも悲しみも幾歳月」という映画のロケ地にもなったとか。この映画を後で調べてみると、太平洋戦争時期の日本を背景とした灯台守を主人公とした物語で、1957年に映画、1965、1972年にドラマが放映されてた。灯台の中に入っていいのかわからずドアを開けることはしなかった。周辺をグルッと回り、灯台の作りを見たり、高台からの長めを堪能したりしていた。朝にみた祝津パノラマ展望台から見える景色とはまた違い、こちらは他の場所より海に突き出したような場所なので、一面海しか見えないといった景色になっていた。浜風が強く、スマホを落とさないか心配になりながら景色を撮影していた。

日和灯台側面
日和灯台からの眺め

 日和灯台の観察を終えて、今度は鰊御殿に向かう。午前中に祝津パノラマ展望台からこの建物を見つけたことがここに来るきっかけになっているので、この建物についての事前情報はほぼない。おたる水族館の鰊のコーナーで、この建物が鰊御殿であることを知ったぐらいだ。中で喫茶店でもやっているのかと思って中を見てみると、壁いっぱいに歴史的に価値があるとひと目で分かるような古い道具や写真が並べられており、これは博物館なんだなとすぐに理解した。入場料を支払い、中の資料の数々に向けていると、管理人と思われる方がこの鰊御殿について歴史の概要を説明してくれた。鰊漁の最盛期にはわずか3ヶ月足らずで(今の価値にして)数十億という稼ぎが発生することがあったそうで、そのお金で港近くに鰊漁のために雇った人たちを漁の間住まわせる場所として、この鰊御殿が立てられた。中でもこの祝津の鰊御殿は現存するものの中で最大規模のもの。もともと積丹半島にあったものを今の場所に移転し、北海道有形文化財として管理されている。ここに一時期とはいえ100人を超える漁師が住んでいたというのだから驚きだ。

 鰊御殿の中にある資料を見ていると、厳島神社の鳥居を建造するにあたり、鰊御殿の網元である田中家から奉納したという書面があり驚いた。これについて管理人の方に改めて確認したところ「よく見つけましたね、確かにそうです。それにしてもここまで細かくみてくださって、ありがたいです」と言われてしまった。めっさ照れた。資料とかをみていて他の歴史と交差していることに気づいた瞬間というのは、自分にとって歴史を知る一つの楽しみとなっている。他には隠し部屋についての話が興味深かった。腕っぷしのいい漁師たちが一堂に会するのだから、トラブルが発生することもある。一時的な避難場所、あるいは金銭の隠し場所として、鰊御殿には隠し部屋があるものだと説明されていた。本当に面白い造りをしている。このあたりの話はゴールデンカムイという漫画にも出てくると他の場所で見たので、後日イッキ読みすることを決めた。

広すぎる
隠し部屋

 日和灯台、鰊御殿を見て回り、この時点でだいたい15時ぐらい。坂を下りおたる水族館方面に歩き出すと、ちょうど小樽駅に向かうバスが来ていたので、おたる水族館前のバス停までダッシュしてバスに飛び乗る。次に向かう場所は小樽市総合博物館。ただ、どこで降りるべきなのかよくわからなかったので、GoogleMapを開きながら、現在地と博物館の場所を見比べて、近そうな場所で止まったら降りるようにした。微妙にずれて遠くなった。しかも降りた場所が博物館の入口から正反対の場所だったため、博物館の周囲をぐるっと廻る必要があり、この移動だけでも20分ぐらいを要した。

 小樽市総合博物館の本館に到着したのは16時前ごろ、周りも日が落ち始め少しずつ暗くなってきていた。営業時間が17時までなので1時間ほどしか見て回る時間はなかったが、自分が興味のあった鉄道関連の展示を中心に見て回るには充分な時間だった。入場口を入ってすぐに見えたのは、蒸気機関車のしづか号。細く先がダイヤモンド型の煙突と前に突き出たバンパー部分が特徴的。最初に外に出て、機関車庫や転車台といった鉄道関連の展示を見て回る。以前、愛媛の宇和島で転車台と機関車庫をみたことはあったが、宇和島のものと比較してもここに残っているものは非常に綺麗で動くものとしてはとても管理が行き届いており大事にされているというのがわかる。にわか雨が心配されていたせいか、いくつかの車両はビニールシートがかけられておりみれなかったのが残念だった。北のウォール街と呼ばれた小樽が、どのようにして栄えていったのか、博物館内の音声による解説が充実していたのでとてもわかり易かった。昔の映像もいくつか公開されており、中でも自分が興味を惹かれたのは、「手宮高架桟橋」についての解説だった。石炭を貨物列車から効率よく船に乗せるための大掛かりな施設で、海に突き出すように作られた路線とその運用方法の特殊さにとても興味が惹かれた。資源の需要が石炭から徐々に石油に移ったことや採掘量の減少などから、すでに解体され実物を見ることはできない。もし今も残っていたらその迫力に度肝を抜かされることだろう。

しづか号
手宮高架桟橋の模型

 総合博物館をゆっくりみている途中で、頭にかなりの疲労を感じた。水族館に鰊御殿、そして総合博物館と、多種多様な知識をインプットするようなラインナップだったためか、興味より疲れが上回ってきたらしい。それでも45分くらいは滞在していたらしく、出口に向かう頃には閉館準備をしているスタッフさんがいた。夕飯は前日とは異なる友人との約束があるので、いったんホテルに戻って少し休むことにする。ホテルまでの道のりは、せっかくなので旧手宮線の遊歩道を通ることにした。実際歩いてみるとこの遊歩道、長い。歩いているうちにすっかり日も落ちてきて、あまり電灯もない暗がりをヨタヨタと疲労の溜まった体を引きずるように進む。ホテル近くまで来たところで、なにか甘いものを取りたいと思いあたりを探すと「遊菓」という和菓子屋がホテルの向かいのとおりにあったので、そこでどら焼きと中華まんじゅうを購入し、ホテルの部屋で食べた。ふわっとした生地に甘すぎないいい塩梅の餡がめちゃくちゃ美味しかった。

旧手宮線遊歩道

遊菓の和菓子

 少しホテルで休んだあと、小樽駅で友人と合流して予約していた海鮮焼きのお店に。この日あった友人は小樽に車で2時間ほどかけて駆けつけてくれた。本当に感謝しかない。お店に入ってから知ったのだが、友人は海鮮全般が苦手だった。予約する前に駄目なもの聞いときゃよかったと本当に申し訳ない気持ちになった。それでも友人は気にする様子もなく、通話ではなかなか話さないようなお互いの近況などについて面白おかしく話をしてくれた。実際に顔を合わせるのは初めてだったが、通話で話すときと変わらず楽しく話すことができたのは、友人の明るい人柄によるところが大きいと思う。別れ際にかに飯のお弁当まで頂いてしまって、感謝感激です。もしこちらに来るときがあればきちんと歓迎してあげたい。

 友人と解散して21時ぐらい。ここからさらに札幌に向かいました。札幌についたときには22時頃、北海道広い。札幌のBarVというバーで、スタンプラリーとコラボしたカクテルが飲めるというのを聞いていたので、時間的と体力に余裕がない状態でしたが、ここまで来たら行くっきゃないと気合だけで行動してた。実際、小樽駅で改札をくぐるかめっさ悩んだ。意を決して改札をくぐったのに1本電車に乗り遅れるというミスを犯し、時間的に更に余裕がなくなる。札幌駅からバーまではほぼ駅から直進なのですが、途中の信号が多く、ほとんどの信号で待たされてしまったため、BarVについたときには22時半を過ぎていた。小樽への終電を考えると30分ほどしかいられない。

 BarVについてからスタンプラリーをしている旨をお伝えし、台紙を見せればチャージ料が無料になるのだが、台紙をホテルに置いてきてしまっていた。マスターが「スタンプラリーをしていることがわかれば大丈夫ですよ」と言ってくれて、小樽でとった写真を見せることでOKと言ってくださった。とても優しい、ありがとう。時間もないので早速、小春六花をイメージして作ったカクテルを頼んで、待っている間にマスターと先客の方とコラボの話とかVOICEROID関連の話をしていた。同じ趣味というのがわかっているだけで、初対面にも関わらず気兼ねなく話ができたのは、BarVの話しやすい空間があったからだろう。そしてコラボカクテルができあがった。

六花ちゃんコラボカクテル

コラボカクテルは全体的に度数は低くなっているとマスターが言っていたとおりで、お酒というよりはジュースだった。ヨーグルトがメインで下の方にはシロップがある。おいしいのと疲れてたのもあって、すぐに飲み干してしまった。せっかくなので2つ目のコラボカクテルを頼んだ。選んだのは花隈千冬をイメージしたカクテル。

抹茶をベースとしたカクテルで、このカクテルも甘いのだが六花ちゃんコラボのカクテルよりちょっと高級感があるような美味しさだった。抹茶の粉末に辻利のものを使用ししているらしく、これがちょっとした高級感を生み出しているんじゃないかと自分は思っている。これもすぐに飲み干してしまった。2つのカクテルを飲み終わったところで、札幌駅からの終電の時間が迫ってきていることに気づき、いそいそとお店を出た。エレベーターまでマスターが見送ってくれて、終始とてもいい雰囲気を感じることができ満足度が高い。コラボと関係なしに北海道に行く機会があればBarVにはまた立ち寄りたい。

 BarVから札幌駅までの道のりは、バーで教えてもらった地下通路を利用することで、行きよりも短い時間で駅に到着することができ、終電の1本前の電車に乗ることができた。札幌駅の地下通路の長さと広さは想像以上で、信号がないことで逆に休みなく歩き続ける状態となり、足も痛かったので「いつになったら着くんだ?」と精神力を試されている感覚もあった。小樽駅についた頃には日付が変わっており、疲労感も重くのしかかってきたが、それよりも大きな達成感があった。BarVに足を運べるかどうかはこの旅行の悩みでもあったので、短い時間だったとはいえ訪れてよかったという満足感が溢れていた。ホテルに戻るととてつもない空腹感に襲われたので、寝る前ということをお構いなしに、友人からもらったかに飯のお弁当をたいらげた。めちゃくちゃ美味しかった。改めて友人に感謝してた。

1日中動き回った2日目。スタンプラリーとしてはおたる水族館だけ。1日目の疲労も相まってか足は痛みを感じるほど疲弊していたものの、訪れる場所や出会う人とのやり取りに夢中で、疲労を感じない時間帯が多かった。おたる水族館、鰊御殿、博物館、年齢を重ねたからこその楽しみを見つけたような感覚もあった。ひとりで自由気ままに見たいものをみて、管理している人に気になったことを聞いたりしてより深く知り、他のところで知ったこととたまにつながったりしてより好きになる。こんな刺激的な1日をたくさん繰り返すような生活ができたらなと思い横になり、すぐに眠りは深くなった。3日目に続く

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