ずっとリモートで自宅からお仕事をしていたが、新しいチームで顔合わせも兼ねたオフラインのミーティングを突っ込まれてしまったので、しかたなく出社することになった。数カ月ぶりの出社で、移動先が以前通勤していたところとは違う場所になるため、めんどくさい外出になるなと数日前からかなり億劫だった。
出社当日、オフラインのミーティングは午後からだったので、11時頃に家を出て目的地に向かった。もし朝から来てくれといわれてたら通勤ラッシュで1日のエネルギーをもってかれてたと思うので救われた。目的の駅には乗り換え1回でいける場所。乗り換え自体もさほど迷ったりすることのない駅なので、目的の駅までは難なくこれた。しかしここから先が大変だった。
とりあえずお昼時だったので、駅近くのお店でハンバーグ定食を食べた。久々の外食ランチは最高だった。最近のランチはあまり時間が取れないこともあって、ご飯と味噌汁のみといった質素なものを手早く掻き込むということが多く、うまいものを久々に食べてるなぁという実感があった。また、お昼に食べている量が少ないせいか、定食の量がなかなかボリュームがあるように感じた。以前はこれにご飯のおかわりぐらいはいけたと思うが、全く余裕はなかった。随分と食が細くなったなと改めて感じた。お会計のときにバーコード決済で済ますつもりだったけれども、現金かカードのみと言われ、慌てて財布を取り出した。わりと都市部の駅のお店でも、バーコード決済に未対応のところもあるんやな。美味しかったけどあまり財布の出し入れをしたくない自分にとっては、リピートはなさそうやなと思ってしまった。
ランチを終えて会社に向かう。最寄り駅から職場の建物まで、資料では徒歩10~15分と書かれていたが、自分が利用した路線の改札は職場の建物と駅を挟んで反対側にあるような位置関係であったため、駅を横断するような移動が必要になった。さらに駅構内が複雑になっており、最短経路がぱっと見ではわからない。大まかな方角のみを頼りにいったりきたりを繰り返してまずは駅から出ることに成功。駅を出たところで雨が降り出していることに気づいた。傘はない。
職場の建物にたどり着いたときには雨を全身で浴びた状態になっており、眼鏡も雨粒まみれで前もよく見えない。カーディガンを着ていたため水分を吸い込んでしまい冷たく少し重くなってる。服が肌に張り付き不快感の高まりを感じ、こなければよかったと強く後悔していた。
職場のフロアまでどう入るんだったけかなと、建物の入口で不審者のような動きをしていたが通報されることはなかった。フロアに入り、すぐにチームの人と顔合わせしときたいと思っていたが、顔と名前が一致しないうえに、すぐに別のミーティングが予定されており、慣れない環境での準備に時間を要したため、来てすぐに顔合わせはできなかった。濡れた服で参加するミーティングは集中に欠き、正直何を話していたのかほとんど覚えていなかった。
2つのミーティングを終えて、オフラインでの参加をお願いされているミーティングまでに1時間ほどあったため、ここで顔合わせできる人とは挨拶を交わすことができた。同じタイミングでチームに参画した人とも話すことができ、一緒に今のオフィスを見て回った。探検をしている感覚でかなり楽しかった。同僚との仲を深める立派な仕事をこなすことができた。この人は以前マイクロソフト、LINEで働いており、自分と同じように実機(オンプレ)でのデータプラットフォーム環境構築・運用に携わっていたとのことなので、話も合うしとても優秀な若手でもあるので、今後のためにもできるだけ良好な関係を構築したいと思う。10年後ぐらいに「あのときは2人とも頑張ったね」と言い合える仲になれれば幸せ。
そして待ちに待ったオフライン指定のミーティングが始まる。チームがこれから半年ほどでどういうことをしていくか、というのを相談する重要なミーティング。始まる直前、ミーティングの始まり方とか、ファシリの立ち位置とか、準備し始めてるけどみんなどうしたものかとちょっと足踏みしてる感じ。「いつもどのように進めてるんですかね?」と聞いてみると「実はこの会議をオフラインでやるのは4月以降だと2回ぐらいなんです」との返答。コロナで全体的にリモートでの仕事を原則とされてきたため、オフラインでの会議がこれまでほとんど実施されてこなかった。加えて、このチームは4月にできたチームということもあり、オフラインの会議は最初からほとんどない。今日が初顔合わせとなるのは10月にチームに参画した自分ともうひとりだけだと思っていたが、実は他にも数人いたというのだから驚いた。やっと会えたね、といったやり取りが何度かあり、和やかな雰囲気でミーティングは始まった。
ミーティングが終わって17時頃、出社でだいぶ体力を持っていかれてた自分はすぐに帰りたいと思っていたが、担当するタスクの詳細について確認しておきたいことがあり、同じチームの方と少し話した。その流れで、チームの他の方を含めて雑談をし始めていた。オンラインでこれまで十分に自己紹介などができていなかったこともあり、このタイミングでいろいろと話をした。このチームでの働き方について聞いたり、今日の出社が大変だったという話をしたり、できるだけ出社したくないという思いを主張してみたり、先月職場で話をした文字数をこの1日で超えたんじゃないかなと思えるほど話をした。話の中で、3年後のデータプラットフォームどうするかについて自分ともうひとりで検討し草案を提出するというのを任されたので、まずはこれに注力したいと思う。この案がここから先のデータプラットフォームの基礎となるため、後々大変な思いをしないように、これまでの経験を活かして描いていきたい。
1時間ほど話し込んで、帰路につくときも少し雨が降っていた。晴れ男だと思っていたがもしかしたら雨男なのかもしれない。帰りの電車はラッシュとかぶり、行きより人が多く圧迫感がつらかった。コロナとか関係なしに通勤の疲れで体調を崩すんじゃないかと心配になった。帰って諸々済ませてテレビをつけると、サッカー日本代表ワールドカップ予選の試合のハーフタイム。出社がなければ最初から見れたのになと残念な気持ちになっていた。
個人的に出社に対しては否定的な意見を持っているものの、自分にとってのメリットがないわけではない。電車に揺られている間の読書は好きで、通勤している時期は月に数冊の本を読んでいたものの、今ではほとんど読んでおらず少し残念に感じている。家では本を読む以外にできることがあるので、本を読むしかできない電車の環境というのは、自分にとって知識を蓄えるひとつの要素となっていた。職場周辺の食事処の発掘というのも楽しかった。たまにプライベートの友人との話で「このあたりにある美味しいお店にいってみてくれ」みたいな話ができたりするので、情報のインプットという意味で役立っていた。今は家で簡単に作れるものしか殆ど食べなくなっており、お店の発掘などもしていない。しかしながら、お金がかかる、量も多いので太りやすいといったデメリットが合わさっており、自分にとってこのデメリットがなくなったことの効果のほうが大きい。オフラインでの会議は、やはり相手のリアクションが多くの情報をもとに読み取れ、認識に差がある場合はすぐに確認したり、ホワイトボードを使って全員で同じ見解を共有するというのはやりやすい。コミュニケーションにおいて対面でのやり取りほど早く深く理解し合うということができる手段は未だになさそう。オンラインの会議で同じ密度にしようと思うと、事前にかなり準備が必要で、話す内容がほぼ想定通りとしなければならないように思う。
今所属しているチームでは今後、2週間に1度の頻度で定期的にオフラインでの会議が予定されている。自分が許容できるギリギリの回数だなぁと内心思いながら、雨の日は勘弁してくださいとチームにお願いもした。今日みたいな思いはできるだけしたくないし、出社にかかるエネルギーが自分にとっては大きすぎてその日仕事にならない。職場に近いところで住みたい気持ちもあるが、住宅補助もないのでなかなか厳しい。しばらくは2週間に1度、出社のたびに悪態をTwitter に垂れ流すことになりそうだ。