北海道にたどり着けないかもしれない
出発前日、全国的に寒波が猛威をふるい、飛行機の欠航や鉄道の運休のお知らせがどのニュースでも流れていた。さすがに今回は無理かもなと絶望していたが、予約していたJetStarからはなんの連絡もない。飛行機が飛ばないとなればたどり着く手段はないので、おとなしくホテルの予約などキャンセルする判断ができるのだが、ニュースの賑わいに反してJetStar側は沈黙を貫く。もはや出たとこ勝負と覚悟を決め無理やり寝るしかなかった。
そして早朝。JetStarから欠航の連絡はない、本当に飛ぶのか?と疑問をいだきながも家を出ます。始発の電車にのって空港に向かうのだが、めちゃくちゃ寒い。すでに北海道にいたのかと思わせるような、鋭利な寒さが、厚着した装備を簡単に突破してきます。北海道にたどり着くまでは、暑いかもしれないなと心配した装備だったんですが「関東でこれなら北海道でどうなるんだ」と不安が募るばかりです。寒波こわい。
成田空港の駅につき、第3ターミナルに向かうのですが、この第3ターミナルまでの道のりが非常に長い。1キロは歩いたんじゃないですかね。行動の開始が朝早く、小樽まで順調に行ったとしてもお昼は超えるので、早めに空港についておいて空港で朝食をとる予定にしておいてよかった。空港までの道のりでかなり熱を奪われてしまったので、朝食にちゃんぽんを食べ、凍死は免れました。
飛行機は結局問題なく飛んでくれるらしい。北の大地に問題なくたどり着けるようでまずは最初の関門突破です。寒波が来ているとは言うものの、雲自体はそこまで広がっておらず、飛んだときに富士山もきれいに見えました。
北海道に近づくにつれ、雲が増えてきます。そして地面が近づくに連れ、当然ではありますが、雲の白から雪の白に変わっていきます。これだけ雪がありながら、早朝から飛行機が飛べる状態になっているということに驚きました。
北海道にたどり着いたのはいいのですが、問題はここからだったりします。鉄道が昨日から運休やら本数を減らしているなど、現地にいかなければ状況が見えないという思いだったんですが、現地に来てもよくわからなかったです。とりあえず札幌までは動くらしい電車がすぐ出るからそれに飛び乗り、札幌から小樽までは、次の電車が雪かきの状況次第でいけるかも、と言われたので札幌に向かう電車の中でJRのサイトやらTwitterからできるだけリアルタイムな情報を追い続けます。そして札幌に着く直前あたりで、札幌小樽間の運転見合わせ時間延長の知らせを受けました。電車は無理とわかったのでバスによる移動について調べると、小樽方面の高速バスが動いているとのこと。早速バスターミナルにいってみましたが、同じように考える観光客が多いようで、小樽方面のバス停にだけ行列ができていました。しかも小樽駅に向かうバスがちょうどでたところ。連なるようにバスがきたが、小樽方面ではあるものの、小樽駅から少し離れた「小樽築港」までしかたどり着けないバス。次に小樽駅まで走るバスがいつ来るかわからない上に、今並んでいる人たちを抱えられるのかわからない。小樽市内のバスに乗り換えられるらしいという頼りない情報を信じ、まずは「小樽築港」行きのバスに乗り込みます。
バスが小樽に近づくにしたがって、積もっている雪の高さが高くなり、道路に残る雪の量も増えてきます。1時間ほどバスに揺られて小樽築港に到着。同じバス停で市バスが来るのを待ちます。新雪に覆われたバス停付近の歩道で、ちらつく雪の中で数分立っているだけでも寒さがこたえます。風がさほどないにも関わらず、肌が出ている部分から熱が抜けていくのがわかる。すぐに小樽駅方面に向かう市バスが来てくれたので助かりました。最初の目的地である運河プラザに近い「中央通」で降りました。雪の高さがやばい。2mぐらいあるように見えます。
花梨先輩の公式絵のモデルとなっている手宮線もこの通り。人が通れる場所には見えない状況です。以前訪れたときは、博物館からこの手宮線散策路を通ったんですよね。懐かしい。
そしてスタンプラリーのスタート地点、小樽運河プラザに到着です。ここまでこれるかというのが不安で仕方がなかったので、到着したときに安心すると同時にどっと疲れが襲いかかってきました。スタートする前こらこれで大丈夫かと、新たな不安が芽吹き始めてる。
1日目のスタンプラリーの予定は「徒歩で行ける範囲を回る」というものです。スタンプラリーの範囲は広大で、1日で回り切るには朝から回らなければ時間が足りない。小樽に来るまでに予定よりも1時間ほど遅れていることもあり、とりあえず近場を回るといっても時間に余裕はない状態でした。スタンプの設置時間が短いものを優先して、まずは16時台にスタンプがしまわれてしまう、都通り商店街と市立小樽文学館に、六花ちゃんの市内アナウンスを聞きながら向かう。都通商店街では、小樽組と商店街がコラボしたパンフレットを配っているので、そちらも合わせて回収してきた。
続いて、今回追加のスタンプ対象となった、グリッズプレミアムホテル小樽へ。こちらの受付自体は遅くまで開いているものの、スタンプを置いているのは17時までと時間に限りがあるので、早めに寄っておく。2日目の夜に宿泊予定でもある場所だ。真新しい施設で、非常にきれいな内装が印象的。
この次に向かうのは、小樽堺町通り商店街の方面になります。この段階ですでに16時になろうかという時間で、移動のトラブルなどもありお昼を食べそこねておりました。そこで、商店街までの道中で小樽のグルメやスタンプラリーとコラボしたメニューを販売しているお店に寄り、食べ歩いていきました。まずは「ぱんじゅうの桑田屋」でぱんじゅうをいただきます。いろいろと味がある中で選んだのは、黒い見た目が特徴的な「石炭ぱんじゅう」、りんごの果肉がごろっと入った11月から2月限定の「ごろごろアップル」、本店限定の「抹茶あん」。外側のすこしカリッとした食感のあとに広がる餡の甘みがとても心地よい。特に抹茶は甘みだけでなくほぼど良い苦味もあり、甘さをよりいっそう引き立たせるように感じます。
少しばかり空腹を満たし、あらためて堺町通り商店街に向かいます。この道中がかなり大変でした。観光客や修学旅行をしている学生で人が多く、雪道は何度も人が通ったことで押し固められ、氷の上を歩いているよう。足をすべらせるということはしょっちゅうあり、1度派手に転倒しました。寒さに加え、転倒による恥ずかしさや軽く雪面に打ち付けた腕の痛みなどに耐えながら、堺町通り商店街にある「タケダのザンギ」というお店に到着します。ここでは、スタンプラリーとコラボしたメニューである「緑のザンギ」をいただきました。大粒の鶏の唐揚げなんですが、衣には緑色の粉末が混ぜられています。渡されるときに店員さんから「緑のはブロッコリーと抹茶です」と言われて思わず笑ってしまいました。たぶん青のりだと思うんですが、ブロッコリーだと言われるとそう感じるような気も。非常にジューシーで、思っていた以上にボリュームがあり、食べきるのに時間がかかりました。食べながら歩くのはさすがに危なかったので、出店の横で美味しく食べるサクラのように黙々と食べていたんですが、お店の方から「後ろに飲食スペースありますよ」と案内していただき、温かいところで落ち着いて食べることができました。
ザンギを食ったら時間を食われた。堺町通り商店街にあるスタンプは2箇所で、片方は17時に閉まってしまうため急がねばなりません。しかし足元は滑りやすく思うように速度をあげられない。それでもなんとかお店が締まる前に立ち寄ることができたのは、「福廊」という雑貨屋さん。スタンプを押してすぐ近くのもう一つの目的地である「堺町通り観光案内所」にも入り、こちらでもスタンプを押します。徒歩で行くには比較的距離のあるこの2箇所が1日目の難所とも考えていたので、閉店前に回ることができたのは幸運でした。
徒歩圏内としては難所のスタンプも確保できたので、運河プラザ方面に再度徒歩で戻ります。その道すがら、1度派手に転倒しつつ、かま栄工場直売店にて「パンロール」をいただきます。スナック感覚でかまぼこを食べるというコンセプトのもと生まれたとのことですが、スナックとは思えないほどの食べごたえがあるように感じます。見た目はさほど大きくないですが、油がすごい。かまぼことは思えない濃厚な海鮮の風味が口いっぱいに広がります。朝食やお弁当代わりに買っていくのもありですね。
かま栄で少し休憩を挟み、あたりも暗くなってきた頃、小樽運河沿いを歩いて進み、浅草橋観光案内所でスタンプを押します。小樽運河の撮影スポットのようで、多くの人がライトアップされた小樽運河を撮影していました。堺通り商店街を歩いているときも感じましたが、第1回スタンプラリーのときと比べて、多くの観光客がいるという印象が強いです。お店の方などから「観光客が帰ってきた」と表現されていたので、これが本来の小樽の姿なのだろうと理解しました。趣のある静かな街並みというのもいいですが、好きな街が賑わっているというのは、今後も明るく賑わう良い兆とも思えるので、これはこれで嬉しくなる光景でもあります。
この段階でスタンプが7つ集まっていたので、スタート地点でもある小樽運河プラザにもどり、7つ以上スタンプを集めた人に送られるクリアファイルを頂きます。そして、小樽運河プラザに飾られているイラストなどをゆっくりと見て回りました。動画のイラストでお世話になっている糖分魔王さんのイラストもあり、大きなサイズで拝むことができたのが嬉しかったですね。応援している絵師さんがこのように受賞されるというのは、応援する自分もなんだか嬉しくなってくるもので、現地で見たい!と小樽旅行へのモチベーションのひとつになってたりします。本当に素敵なイラストでした。
夜の小樽の寒さに震えながら、この日お世話になる、トリフィート小樽運河へ。入り口では六花ちゃんと花梨先輩のパネルが並び、スタンプも2つ用意されています。加えて、コラボグッズの販売もやっており、毎度ながら協力体制に感心させられますね。今回増えたコラボグッズのマグカップと、新しい缶バッジもチェックインと合わせて購入。専用の宿泊プランでもらえるタオルも受け取り、この段階での戦利品を並べたりしてました。
まだ1日目は終わりません。夕飯としてコラボメニューを提供している「龍鳳」さんに向かいます。少し距離はあったのですが、もはやテンションで疲労のことを忘れ、ようやくなれてきた雪道をのっしのっしと進みます。そして到着したのですが、お店が暗い。そして入り口には「定休日」の張り紙が。どっと疲労感がのしかかりました。
それでもまぁ別の候補もあったので、すぐに切り替え雪道を進みます。堺通り商店街あたりで食したザンギやパンロールのお陰で、そこまで空腹は激しくなく、気持ちにも余裕がありましたね。そしてたどり着いたのは「小樽ビール 小樽倉庫No.1」。前回来たときは、臨時休業と重なってしまい、夕食時にくることができませんでした。なので今回はそのリベンジを果たしたかったのです。
あまりビールは普段から飲まないのですが、せっかくなのでドイツビールの「ピルスナー」を1杯いただきました。嫌な苦味はなく、スッキリとしたフルーティーな味わいが特徴的でしたね。こういう美味しいビールならある程度は飲めそうです。そして注文したのは「真鯛と白子のロールキャベツ」と「活タコのカルパッチョ」。こんなロールキャベツ食べたことない。魚の旨味じんわり。うまい。そして北では今が旬のタコを使ったカルパッチョ、薄いのに弾力しっかり、モキュモキュ噛んでるうちにわさびとオーロラソースを混ぜたような少し濃い目の味からタコの旨味が感じられるようになっててすごいおいしい。ビールを挟みつつ食べるの最高。薄めの味のビールなので、濃いめのカルパッチョと相性が最高でした。1品で2,3人前ぐらいあって、多分数人で来て分けて食べることを想定としているものだと思うので、2品で十分お腹いっぱいです。今度来たときはピザとかも食べてみたい。
食事も済ませ、トリフィート小樽運河にもどり、大浴場を堪能し、1日の疲れを汚れとともにしっかりと落とします。以前来たときはホテルに戻るのが1時を超えたりして、大浴場を体験できなかったんですよね。これもリベンジ案件だったので、しっかり堪能できて満足です。入ったタイミングは他に人もおらず貸し切りのような状態で、悠々と楽しむことができました。1部屋が2, 3人入れるほど大きく、荷物を拡げたりのびのびと過ごせるのが良いですね。まぁ一人だからという理由もあるでしょうけれど。
翌日も朝早くから活動予定なので、日をまたぐ前にはベッドに入りました。とにかくこの日は、小樽に着けたということ、当初想定していた徒歩圏内のスタンプやグルメなど、雪道に苦労しつつも周り切れたのがとにかく嬉しかったですね。寒波に日和らず旅の予定をキャンセルしなくてよかったと実感した1日目でした。